category: 一觴一詠  1/5

催涙雨

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聖堂に跫々たるや送梅雨季語:送梅雨七夕の雨を指して、織姫と彦星が会えず流した涙に喩えた「催涙雨」なる言葉があります。昔の人もロマンチックなことを考えたんだなと染み入りますが、この季節の雨、梅雨が終わるかという時期の雨は、昔から雷雨を伴うことも知られており、これを指して「送梅雨」という季語も存在します。平成三十年度七月豪雨と名称を決定された今度の大雨は、厳密にいえば関東では梅雨明け後の雨でしたから、...

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梅雨明

彼には強い妄想癖があった。例えば学校の授業中、例えば通学の電車の中、例えば散歩の土手の上で、思考が吹き飛ぶこともしばしばであった。こんなものは一例に過ぎないが、生まれて初めてのひき算の授業で妄想を発揮したので、まったく問題が解けず、いきなり号泣してクラスメイトを困惑させたこともある。それほどにひどかったし、それなりに日常に障をきたした。彼の比較的に恵まれた人間関係、記憶力、想像力などが幸いしてか災...

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cinéma

別珍に居敷のどけき幕のあと季語:のどけき先日、某所の名画座に参りました。通学路でのふとした寄り道でしたから、何を見ようかと名画座のポスターを前に突っ立ち、それにしても私のようなものがこれ以上足を踏み入れてよいものかと逡巡をしていたところ、「あなた、お迷いなのでしょう?」と、振り返ると、少ししゃがれつつも御上品なお声の、美しいお着物をお召しになったご婦人が微笑んでおります。こちらも小首をかいて素直に...

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金打の駒音ゆるゆると霾る季語:霾る鉄錆の如き夕暮れ霾曇季語:霾曇霾る…つちふる霾曇…つちぐもり何かと忙しくなってきて更新を怠った結果、妙な広告が自身のブログ上に表示されるようになったことが鬱陶しく腹立たしく、このように更新しました。忙しいのは仕方ないでしょうに、ねえ?ということで、この季節に鬱陶しく腹立たしいものといえば、洗濯物を干す際のベランダに積もる黄砂であろうと思い立ち、このような句作をもって...

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大和琴、犬の声

初東風の電線あずま琴を聴く季語:初東風初空へ惹かれた犬に曳かれゆく季語:初空まだまだ正月気分の抜けない(抜きたくない)日が続きますが、時間は刻一刻と過ぎ去り2018年も2週間をはや過ごしております。正月休みの間に作ったけれども更新がどうにも面倒だったもので、その作り溜めたものを今回も吐き出すだけの記事となります。お正月のおめでたさは、無機質に優美を見出させ、老犬の我が儘を許させる程の気分がありますね。...

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センター試験

消しゴムのかす集むるや初日陰季語:初日陰 冬麗や東天に過去問を閉ず季語:冬麗乗初の極地ひねもす明けやらで季語:乗初朝まだき華府なる御用始かな季語:御用始今回は、溜まりに溜まった俳句を一斉に大放出するのみの記事とさせていただきます。内容そのものは素直なものですし、万が一意味の知らない字句があれどもネット検索すれば出てきますので差し支えないように思います。遅ればせながら、あけましておめでとうございます...

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帰省

ゆく年や十六番線姫路行き季語:ゆく年今年一年、たいへんお世話になりました。皆様におかれまして、残り少ない2017年も恙なくお過ごしください。また、来年は益々のご健勝をお祈り申し上げます。それでは、良いお年を。...

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しゃかりき聖誕祭

聖夜果つトラミキの鍵挿したまま季語:聖夜梯子車のサイレン新宿のノエル季語:ノエル大学生3年のクリスマス、今年もバイトに明け暮れる予定にあります。誠に遺憾の極みでありますが、まぁ仕方ないでしょう。ということで働く人の吟詠を今回は。こうして働いている人がいるから楽しいクリスマスが送れるんやぞってくらいはせめて意識して欲しいですねーーーーー...

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トラ・トラ・トラ

停車場の鼓膜の痛み開戦日季語:開戦日1週間前の12月8日は真珠湾攻撃、太平洋戦争の開戦からちょうど76年という1日でした。すっかりそんなことを忘れてしまうほど日常に忙殺され、更新がこうも遅れたことは大変申し訳なくお詫び申し上げます。「ワレ、奇襲ニ成功セリ」を意味する電報。暫しの大東亜に酔い痴れ湧いた群衆の声。そんな彼らの生活が空から海から突き崩されていったときの爆音、轟音、悲鳴、「バンザイ」。そうして玉...

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俳聖

暁月の靴磨きけり桃青忌季語:桃青忌日付は変わってしまいましたが、先日の2017年11月29日は旧暦に直せば10月12日にございます。この日は、他でもなく彼の俳人、松尾芭蕉の忌日でございまして、「芭蕉忌」「翁忌」「桃青忌」「時雨忌」と呼ばれて季語にもなっています。然様な偉大なる俳傑の名を借りて句を詠むというのは、第一に甚だ痴がましく、第二に作るとしても惑うことの多く、第三にどうしても芭蕉という作家に過剰に引きず...

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