archive: 2017年10月  1/1

オキソカーボンの折節

焦臭い部屋の明るさ初火燵季語:初火燵(後述)果物をむく午後九時の炬燵守季語:炬燵旅館みたいな雰囲気の、ある種「行儀の良さげな」炬燵の風景ですね。私が愛着のある炬燵は、もっと崩れていて、擦り切れてヨレヨレになっていて、大昔に私や弟が汚した跡が残っているような、そんな炬燵ですけれど……本日、一人暮らしの部屋に炬燵を出しました。溜まっていた埃が電気炬燵の熱に焦がされた匂いがしばらく部屋に充満していましたが...

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甘藷を叙す

藷堀のひとり 祖父母の畑にて季語:藷堀夕暮の下宿を煮え来たる甘藷季語:甘藷自身にとって身近であること、経験的であることしか俳句に起せないというのは、きわめて健全なことだと言えはしましょうし、そうした裏打ちを有さぬ創作など無価値であると、写実主義の原理主義者然として宣っていれば済むのかもしれません。しかしながら、そうした弁も、私にとっては、自身の限界への苦しい釈明としか鼓膜には響きませんし、そうした...

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校庭

校庭を走る軽トラ 風の菊季語:風の菊校庭を走る軽トラ 末枯るる季語:末枯るる学校の校庭に咲く草花というのは、子どもに日本の四季を感じさせるという国民化のため、あるいは理科教育の便益に供するために、さまざまなものが用意されています。その代表はまさしく「桜」であり、これを象徴的に見た当時の政府によって全国の校庭に植えられ、それによってさらに人々の中で桜が象徴化されるという循環が、結果的に現在に至るまで...

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颱風禍

轢断の猫の前あし野分晴季語:野分晴側溝の野猫のむくろ野分晴季語:野分晴まさしく颱風禍の真っ只中でありますが、俳句でございます。しかも、今回はなかなかに悲惨な俳句でございます。野分、すなわち秋の暴風雨のことですが、これが過ぎ去ると、からりとした青空が訪れるのはよくご存知のことと思います。これを表す季語の一つに、「野分後」や「野分晴」というのがあるのですね。内容としては、野良猫が吹きすさぶ雨風の中でト...

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もみぢを拾ふ

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天球のピースを拾う紅葉狩季語:紅葉狩俳句を始めて一年余で作った俳句は、本ブログに掲載していないもの、未だ推敲中のものを含めると、百をゆうに超えつつあります。それに伴い、「雪」「花」「月」をはじめ、扱った季語も数知れぬほどとなりつつありますが、実は、「紅葉」については悉く避けてきました。理由は至極簡単なことで、どうにも陳腐な発想しか思いつかず、また厖大な例句や麗句に翻弄され、硬直させられ続けてきたた...

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霧中のビビり

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警笛の照らし来る線路の濃霧季語:濃霧(霧)濃い霧の中を歩いていると、電灯に照らされた霧の塊に何かがいるんじゃないか、霧に包まれた向こうの角から人ならざるものが出てくるんじゃないか、と思わせるようなミステリーが感じられるという経験は、私だけのものでしょうか。20年以上も生きてきて、未だに雨とか霧とかで湿っている暗い夜道に苦手なビビリな私の申し上げている戯言だとも考えられるでしょうが、それ以上に、霧とい...

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ゴミ出しの詩

ゴミ出しの足もと青し水の秋季語:水の秋こう雨が続かれては障りがいろいろと出るものですね。そもそも秋というのは「晴れ」のイメージが多いものの、日照時間は四季のうちで意外と少ない方だと聞きました。てことは、「スポーツの秋」ってのは、あれは1964年の東京五輪の開会式が10月10日だったことにあやかっただけのキャッチフレーズであって、あとは然程根拠はない、ということなんでしょうか。それはそれで、風流心が削がれる...

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学校の一風景

空き教室わらい騒げや秋驟雨季語:秋驟雨秋ついり願う恥ずかしがりの恋季語:秋ついり(秋黴雨)今日はとても単純な自分の経験をもとに、想像も働かせつつ作句してみました。一句目は、騒ぐ学生のがちゃがちゃしたバイタリティを表現したくて、わざと上五を字余りにしてみました。二句目については、雨が降ると寧ろ誰も外に遊びに行かなくなるので、いろんな人とお喋りができて楽しかったなぁという自分の体験をもとに、教室の隅の...

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スプラトゥーンか、爆竹か

雨の赤門 ペンキと臭う銀杏の実季語:銀杏の実銀杏の爆ずる音しきり雨後の街(ぎんなんのはずるねしきりうごのまち)季語:銀杏雨のうす寒い午後、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。まず、一句目について。本日、某大学のキャンパスを歩いておりましたらば、雨のために道一面に広がった銀杏の実の上を、いかなる容赦も躊躇もなく、トラックや自転車が走り去るので、一面は黄色のペンキをぶち撒けたような臭いと風...

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花芒、恣

鈴が音の幽か 真赭のすゝき原(すずがねのかすかますおのすすきはら)季語:真赭のすゝき(真赭の芒、十寸穂の芒とも書く)俳句を始めて、気づけば1年が経ちました。ただただ、明鏡止水の心持ちで、目に、心に、浮かびくるものを詠むというふうになりつつありますが、それを表現するのに言葉を紡いでは解くことの繰り返しで、なかなかに大変なものです。大昔に軽く登山らしいことをしたときの風景を思い出す、そこまでは簡単でも...

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故郷の秋祭まだき

谺する氏子練り子ぞ秋高し季語:秋高し鯖雲を攪拌しゆく大擬宝珠季語:鯖雲まわし畳む母はものぐさ秋祭季語:秋祭     <神輿を練る様子。一の丸、二の丸、三の丸という三つの神輿があります。>  <メインの屋台。画像は広畠にて三台練の様子(左から木場屋台、松原屋台、中村屋台)>僕の故郷では、10月14日、15日に、「灘のけんか祭り」というお祭りが行われます。以下、しばらくは祭りの説明なので、読む前にですね、ネ...

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公示日

いよいよ、本日10日に衆議院議員選挙が公示を迎えます。特に今回は、野党再編がまた急速に進んだだけではなく、18歳選挙権の制度のもとでの初の衆院選となります。<衆院選>若者層は保守的? 内閣・自民支持多く…世論調査(2017年10月10日閲覧)によれば、若い層は景気対策を重視するため、積極財政を現状進めている安倍政権を支持する割合が多いようですが、選挙結果にいかなる影響を与えるのでしょうね。かく言う私も、住民票...

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広島に寄せて

群衆の迸り ヒロシマの辱暑(ぐんしゅうのたばしり ひろしまのじょくしょ)季語:辱暑「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のノーベル平和賞受賞や、広島カープのセ・リーグ連覇など、ここ最近の大きなニューストピックの中心に二度も登場した、「広島」。今回はその「広島」への、粛然たる挨拶句でございます。基本的には、群衆の迸りが辱暑と呼応するような、暑苦しいくらいに活き活きとした広島の人々の夏を描いた句です。...

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十六夜に描く名月

千代をゆく特急の音 月今宵季語:月今宵俳句が全く出来上がらずに時間のみ経過してしまいましたが、昨日は十五夜でしたねー。ということでつまり、本日が十六夜(いざよい=猶予い)な訳ですが、猶予う月も風雅なので、今日もみなさん楽しんでみましょう。とはいえ、十五夜というのは旧暦なので、本当の満月は明日なんですけどね…小山硬「十五夜」俳句そのものは、特急が良宵の真闇に吸い込まれてゆく風景を単純に読もうとしたもの...

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傷歎

鉄紺の夜寒に唯独り飲まる季語:夜寒今回は、解説も何もございません、ただただ、題にある通りの感傷を懐くのみです。と言っても、主我と客我の一致という非蓋然的なものを信じられるほどロマンチストではないので、気休めの言葉は無用です。読み流してもらって構いません。が、敢えて表現するならば、俎上にて捌かれるのを唯ひたすらに待たされねばならぬという一件があって、其の持続が、私のような若輩には、独りでに揺らぎ崩れ...

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