一觴一詠11〜大陥穽にて

実は先日から、姫路を離れて高校時代の友人たちと共に九州旅行にやって来ております。1日目に阿蘇の大観峰、2日目には稲積水中鍾乳洞へ行って参りました。

阿蘇・大観峰より
阿蘇

稲積水中鍾乳洞にて
水中鍾乳洞1

自然の世界に存在するひずみ(カルデラや洞窟など)に対しては、みなさんも同様でしょうが、情趣を感じることが多いように思います。それに対して、人間の作り上げたものから生ずる社会的ひずみの、なんと醜いことか、という表現に対しても、みなさんから一定の共感を得られるでしょう。そのような相違についての観想を得ながら、春を迎えつつある阿蘇と、雨に肌寒かった鍾乳洞を詠んだのが、次の二句です。

白昼に眠り草青む大阿蘇
季語:草青む

冴返る瑠璃のほら穴 友の声
季語:冴返る

この二句、句切れの位置は同じような場所にあるため、構造的な類似を感じる方もおられるでしょうが、季語の位置が実は全く異なるという点が、重要な相違点となります。客観描写の句においては、読者の五感を刺激することが、ひとつ大切なことですから、色覚や聴覚に訴える句とするために、語順にも気を遣わねばなりません。

阿蘇の句は、大の字で空間的広がりを表しつつ、静かな情景を描くようにしました。また、白と青の堆肥を字面で表現してみました。

ほら穴の句は、冴え返るという人間の肌感覚を重視しつつ、ほら穴の瑠璃色の空間を響く共の声を、実的な聴覚に直接訴えかけることを重視してみました。

季語の位置はどの段階で季節感を提示するのが良いか、ということに関わる、甚だしく大きな問題です。また、どの語で句を締めるかということも、句によって描く映像に大差が出るため、配慮を尋常なく要します。大阿蘇という空間的拡がりで締める、声の響きで締める、というのが良いだろう、という判断のもとで、今回は語順の推敲を行いました。

ただし、これが間違いである可能性はなお否定できません。何か助言や感想等ありましたら、どんなことでも良いので、気軽に教えていただけると幸いです。

にしても、人間の生み出す陥穽(ビルの谷や社会格差など、さまざま)の醜悪さは、先述した通りですが、虫酸が走ることがあります。日々、その大小に愚痴を零しながらそぞろ暮らしていますが、それに関しては、もう少々考えがまとまってからの投稿にしたいと思います(^^;)


ここまで読んでくださったならば、ついでに拍手までしていっていただけるとありがたいです。また、コメントもくだされば、なおニッコリします(^^)


冴え返る……の句ですが、推敲しているうち、またまた語順を変えたくなってしまったので、ここに載せておきます。

瑠璃のほら穴冴え返る友の声

ささ、従来と如何様な違いがあるのか、皆様に伝わるのか、はたまた単なる自己満足に終わるのかは、反応を待ちましょう。。。
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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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プロフィール

タカマティー

Author:タカマティー
日本語を愛し、詩歌を愛し、戦後保守主義主流を志向しつつ、たまにリベラルに身をやつして腐敗した権力を批判することもあるような、そんな大学生のブログです。

穏やかなる播磨の灘の凪を母とし、猛き鷺城を支配するかのごとき桜並木を父として、18年間を彼の地に過ごしたのち、メトロポリスTOKIOへやってまいりました。

本ブログは、日々のよしなしごとを書き散らし、ほどほどの厭世気分を吐き出していく場として活用する所存です。よって、おそらく掃き溜めのごとき文字列を、皆様にはご提供することでしょう。皆様におかれましては、御自力で、その中に鶴をみつけてくださればと思います。

「白玉楼中の人となる」
:文人が鬼籍に入ること。
 cf. 「司馬遼太郎は本物の文人であった。彼は、白玉楼中の人となったに違いない。」

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