甘藷を叙す

藷堀のひとり 祖父母の畑にて
季語:藷堀

夕暮の下宿を煮え来たる甘藷
季語:甘藷

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自身にとって身近であること、経験的であることしか俳句に起せないというのは、きわめて健全なことだと言えはしましょうし、そうした裏打ちを有さぬ創作など無価値であると、写実主義の原理主義者然として宣っていれば済むのかもしれません。しかしながら、そうした弁も、私にとっては、自身の限界への苦しい釈明としか鼓膜には響きませんし、そうした釈明によって潤色するしか儘ならぬような、然様な凡庸な人間なのだろうと、晩秋の凜とし始めた空気に諦観しつつある今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

寒暑を叙すには流石に長過ぎましたかね。改めて、皆様いかがお過ごしですか。私はめっきり忙しくなって更新も再び儘ならぬ状況となりつつありますが、恙無く日々を過ごしております。

忙しくとも1日1句は詠もうと試みてはいるものの、そうやって俳句を考えようとした時には、どうしても自身の経験から延長させることによってしか、創作の世界を構築することができないということに、最近は悩んでおります。然様なる凡庸に心身をうずめ続けた先に、何かしらの宝が見つかればと思いながら、つとめて没入し続けているわけですが。

偶には不安にもなるでしょう、そりゃあね。

とは言え、努めていれば何がしかの良いこともあろうと詠み続けるのでしょうね。何やかんやで好きですから。

今回についても自句自解は控えさせていただいて、味わってくださればいいのではないでしょうか。甘藷の色、味、匂いを噛み締めてくだされば、もはや言葉など不要でしょうから。



暮れゆく陽射しに目を瞑っては、その色は褪せてしか眼裏に残りません。

しかと見つめておれば、日々も楽しからずやと思い為すが肝要でしょう。

今年も暮れゆく秋を、眼裏よりもなお奥深くに残し置くために。



藷堀のひとり 祖父母の畑にて
季語:藷堀

夕暮の下宿を煮え来たる甘藷
季語:甘藷
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