トラ・トラ・トラ

停車場の鼓膜の痛み開戦日
季語:開戦日

1週間前の12月8日は真珠湾攻撃、太平洋戦争の開戦からちょうど76年という1日でした。すっかりそんなことを忘れてしまうほど日常に忙殺され、更新がこうも遅れたことは大変申し訳なくお詫び申し上げます。

「ワレ、奇襲ニ成功セリ」を意味する電報。暫しの大東亜に酔い痴れ湧いた群衆の声。そんな彼らの生活が空から海から突き崩されていったときの爆音、轟音、悲鳴、「バンザイ」。そうして玉音。

耳の奥のさらに奥底を突くような「音」がそこにはあって、そんな「音」を聞かせるとも知らずに揚々と出撃した人々には笑顔も幸せもあったはずで。

マフラーも耳当てもしない夜は、風に長く当たっていると耳の奥から痛くなってくるものです。そんな或る人間の境遇、その痛みが、聞こえはしないはずの「音」を読み取らせ心を掻き毟らせることもあるのではないでしょうか。

電車の過ぎていく風、轟音、その冷気、それらが鼓膜を痛ませている上五・中七の描写に、とても強い意味と感情を伴った季語を下五にて即いてみたのが今回の句です。

即き過ぎようと離れ過ぎようと、何が聞こえるかは各々次第ではありますが、停車場の冴えゆく中に耳を澄ましてみるのも、たまにはいいのかもしれませんね。

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